フランネルのスーツ
今年の冬は特に寒かったように感じました。そんな日々に重宝したのが、フランネルのスーツです。私がまだ20歳代で、実家から通勤していたころに作りました。私の母親は夫人服のプロだったので、知り合いのプロから「息子さんのスーツを作らせてほしい」と頼まれたようです。どんな生地が良いか、と訊かれて、私は迷わず「フランネル!」と答えました。
小学校という職場は、寒いのです。教室や職員室にストーブは入りますが、廊下や運動場は寒いままです。暖かいフランネルのスーツが欲しかったのです。洋服屋さんにはヘンな顔をされました。そこらの店に行っても、フランネルのスーツなんて売っていません。オーダーする人も少ないのでしょう。それでも私は注文を変えませんでした。
でき上がってみると、実に快適です。気に入りました。「もう1着…」と言われたので、次もフランネルにしました。あれから、もう25年経ちました。今でも、私の持っているスーツの中で一番暖かい服です。今年の冬も元気に活躍してくれました。ところが。
今日、学校で水槽の水換えをしていたら、尻から「ピリッ」という音がしました。「ズボンの糸が少し切れたのかな」と思いました。その程度の感触でした。ところが、これが数分おきに3回続きました。さすがにちょっとヘンだなと思って、ズボンを触ってみると。…尻の部分が破れていました。縫い目ではありませんでした。生地が弱って破れたのでしょう。大きく破れているので、見た瞬間に「直そう」という気が消えました。もう寿命ということでしょう。長いことお世話になりました。寒さが緩み始めるまで、よくぞ耐えてくれたものです。ありがとうよ。上着はまだ使うからな。
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