わたせせいぞう『菜』を読む(1)~昭和の男の夢か~
私、誤解してたんです。
「わたせせいぞう氏は、バブル時代を代表するマンガ家」
と思っていました。
あの、しゃれた絵はよく見たものの、有名な「ハートカクテル」を読んだことはありません。
読みたいと思いませんでした。
先日、NHKで氏の作品と人を少し見る機会があり、読んでみたくなりました。
氏は「菜」を「心の支え」と語っていたと記憶しています。
まず3冊。
2日後に、9冊。
久々に、マンガを全巻通しで買いました。
まず、表紙に驚きます。
おなじみの、わたせ風ですが、和風なんです。
表紙をめくると、わたせ氏のステキな随筆が出てきます。
そして、さまざまな植物のスケッチが並びます。
この時点で、すでに
「わたせせいぞうって、こんな人だったのか!」と驚きます。
中をめくると、なんと、全編カラーです。
色使いも構図も素晴らしいです。
A4版なので、絵の素晴らしさを堪能できます。
そこに描かれるものは、ことごとく和風です。
主人公の菜さんも、いつも和服姿です。
服装だけでなく、言動がたまらなく古風です。
専業主婦で
家事を一生懸命やり
夫を立てて
周囲の人々にも細やかに心を配り
これは、昭和の男のひとつの夢ではないかと感じました。
母親、または祖母の世代には、こういう女性が確かにいました。
現在では、こんな女性を望むのは悪だとみなされかねません。
ですから、今の若い男性には、私の「キュンです」が理解できないでしょう。
実写版で映画化すると、一部の世代には喝采されると思うのですが。
ムリかなあ。
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