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2022年9月18日 (日)

車いすに涙する ~カンブリア宮殿/コギー~

TV番組「カンブリア宮殿」、もう何年も見ています。
最近は、泣かされることがなくなってきました。
それが、先日、久々に泣かされました。

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障がいを抱え、無理だと思っていた「移動」がコギーを使えば可能になるという。
しかも、ただ移動を可能にするだけではない。
乗り続けることで驚きのリハビリ効果も。
(「カンブリア宮殿」WEBサイトより)
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この車いす「コギー」を製造・販売する「TESS」社は、従業員4人(!)という会社です。
「カンブリア宮殿」の番組スポンサーは、日本経済新聞です。
こんな零細企業を採り上げて、怒られないのでしょうか(^^;)。

創業者の鈴木さんは、宮沢賢治を尊敬して東北の大学に入り、
山形県で教員をしていたとか。
ああ、もうそれだけで私には解ります。

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「困っている人を助けたい!」そんな思いを抱えて
教員から「足こぎ車いす」を手掛ける大学ベンチャーの営業マンへと
転身した鈴木だが、いざ転職してみると…そこには厳しい現実が待っていた。
就職したベンチャーで鈴木は、何の成果も出せずに、
会社は4年で倒産してしまったのだ。
「このまま足こぎ車いすを埋もれさせる訳にはいかない」
そう強く感じた鈴木は、なんと、足こぎ車いすの製造・販売を手掛ける会社を
自ら立ち上げると決意。
(「カンブリア宮殿」WEBサイトより)
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ああ、この生き方、正に、宮沢賢治です。

私、若い時に学習発表会で「幸福な王子」をやったことがあります。
終わってから、ある先生にこう言われました。
「縄文人先生らしい劇でしたねえ」

ですから、宮沢賢治の作品で私が一番しびれるのは
「グスコーブドリの伝記」です。
自分の命を犠牲にして、農民たちを助ける、という話です。
おそらく、鈴木社長も、この話が好きなのです。
おそらく、鈴木社長は、私以上に「献身」「自己犠牲」が好きなのです。
それだけに、余計に泣けてしまうのでした。

鈴木さんは「もうかってない」と言います。
私が望むのは、鈴木社長が宮沢賢治のような死に方をしないことです。
「社会貢献をするためには、ちゃんと利益も出さなきゃダメ」
というのは、今までこの番組に出た幾多の先輩たちが言っています。
「コギー」で幸せになる人をもっと増やすには、
「TESS」社はもっと利益を出せる会社になる必要があります。
本田宗一郎を支えた藤沢武夫氏のような人が、
「TESS」社に入って欲しいものだと思いました。
そうなれば、鈴木さんは志半ばで夭逝した宮沢賢治ではなく、
本田宗一郎になれるかもしれません。

その人は、あの番組を見て、もう鈴木さんのもとに駆け付けているかもしれません。
「カンブリア宮殿」制作者も、それを願っているのではないでしょうか。

TESS社はこちら
「カンブリア宮殿」はこちら

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コメント

こう見えて私も自己犠牲とか縁の下の力持ち的なのが大好きなんです。
子どもの頃に読んだトムソーヤの冒険でベッキーを庇って罰を受けるって部分に何度も涙しました。
それと同時に私は本を読むのが苦手です、技術書は良いんです。フィクションが片っ端からダメ、ドラマもSFとかじゃないと見れません。

このポストを読んで人生で初めて宮沢賢治を読んでみたくなりました。
とはいえ、家には山盛り未読の技術書があります。
ふっけんが本当に宮沢賢治読む日は来るのかしら。。。

投稿: ふっけん | 2022年9月21日 (水) 00:47

そうだったのですか!

自転車に乗る人なら「サクリファイス」という本を勧めるのですが。

「グスコーブドリ」はネット上で無料で読めます。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/1924_14254.html
短い話です。
アニメにしたら、15分くらいかな。
私としては、90分の映画にしてほしいくらいの話なのですが。
(余談)
「ゴジラ」の第一作、ご覧になったことありますか。
結末が「グスコーブドリ」と同じなんです。

投稿: 縄文人 | 2022年9月22日 (木) 19:16

おーおすすめ作品まで!ありがとうございます。
早速グスコーブドリはkindleにダウンロードしてお風呂で1人で読んでみます。

ゴジラの一作目は残念ながら観たことないです、白黒の奴ですよね。
ゴジラの一作目はモチーフとして原爆を使ってるって聞いたことがありますが、それゆえに地上波で放送されてるの見た事ないし、1968年生まれの私にはさすがにちょっと古すぎました。

投稿: ふっけん | 2022年9月26日 (月) 01:01

「ゴジラ」第一作については、数多くの評論が出ています。
その多くが「戦争」「原爆」との関連を語っています。
ラストシーンについては「特攻」を想起するでしょう。
しかし、それだけでないような気がしてきました。

特攻以前にも、日本には自己犠牲の話がたくさんあります。
「人柱」の類です。
強制されて犠牲になるだけでなく、自発的に犠牲になったという話は珍しくないと思います。
「グスコーブドリ」は「特攻」以前の話です。
宮沢賢治は、日本に脈々と受け継がれてきた自己犠牲の伝統と、仏教の信仰を合わせて、あの話を書いたような気がします。
(仏教には「捨身飼虎」という話があります)

「ゴジラ」は直接的には「戦争」「原爆」「特攻」といったものを意識して描かれているのでしょう。
しかし、日本に昔からあった「人柱」の類の話が底流にあるのではないでしょうか。

ふっけんさんのコメントのおかげで、こんなことを考えた次第です。

投稿: 縄文人 | 2022年9月26日 (月) 21:37

>ふっけんさんのコメントのおかげで
「献身」「自己犠牲」が好きな人はこういう風に~のおかげでって言う気がしますね。(^^)

グスコーブドリを読みました。
結論から言うと残念ながら私には合いませんでした。
そして縄文人さんに薦めていただいたおかげで私自身の苦手な事を改めて認識できました。

IT技術者の世界では常識なのですが、書いてないことまで読み取るなってのがあります。行間も空気も読んじゃダメなんです。
私には言わぬが花じゃないですけど文学作品的な奴は相性悪いかも知れません。

そもそも今回はグスコーブドリとの出会い方にジレンマがあります、献身や自己犠牲の物語と知ってて読み進めるにはあの灰色の雲がかかった世界はしんど過ぎました。童話なのも1つの理由かも。
何歳ぐらいの人が対象なのかわかりませんが、小学校時代の私が読んでも恐らく理解出来なかったんじゃないかと思います。そしてこれを国語力or読解力の問題だと捉えられると結構辛いとこありますね(^^;)

ゴジラの第一作目も同じ気がしますが、出会いのタイミングは大事やなと改めて感じました。
我々は世代性(時代性)から逃れることは出来ないですね。

しかし縄文人さんのおかげで1つ引き出しが増えました。ありがとうございます。

投稿: ふっけん | 2022年10月10日 (月) 02:20

このコメント、初め方と終わり方がニクイですね(^^)。

投稿: 縄文人 | 2022年10月10日 (月) 20:15

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