AIはホームセンターの夢を見るか(3)~この業態は生き残れるのか~
●「ウチの店がやっていけるのは、ネットが使えない老人のおかげだなあ」
しばしば、そう感じます。
スマホで調べればわかることを訊いてくる老人。
ネットで探せばもっと安くてもっといい品物があるのに、ウチの店に探しに来る老人。
ホームセンターにあるはずのないものが欲しいと言って、ウチの店に来る老人。
お宅の店は重いものを客の車に積んでくれるから、と言ってウチの店に来る老人。
あと数年で、スマホを使えない老人客はいなくなるのではないでしょうか。
そして、スマホもAIも進歩して、人間相手と同じように訊けるようになるでしょう。
更に、宅配もAIがやる時代が来ると言われています。
そうなると、冒頭に挙げた4種類のお客さんたちは、
もうウチの店に来なくてすむわけです。
えっ?「実物を見て決めたい」?
それは、VRの進歩で必要性が下がるはずです。
VRで見ながら、質問に答えてくれたら、もう店まで行かなくて済むわけです。
しかも、自宅まで配達してくれるわけです。
●職人さんだって
ホームセンターを支える職人さんたちだって、
ネットショッピングと宅配がもっと便利になれば、
ホームセンターには来なくなると思うのです。
だって、買い物と運搬で多大な時間をロスしてるわけですよ。
今後は「現場に配達」がどんどん増えていくと思うのです。
●店だって
ホームセンターで働いて感じるのは
「商品の回転率が悪い」
ということです。
ホームセンターって、そういう商売なんです。
「あの店に行けば、〇〇が置いてあるだろう」
そういう期待に応えてくれます。
そして、そのために、膨大な店頭在庫を持っています。
その中には、1つ売れても100円も儲からない商品がたくさんあります。
薄利多売はスーパーだって同じですが、
ホームセンターの場合は賞味期限の問題がありません。
薄利の商品が何年もの間、売り場に居すわるということになります。
効率の悪い商売です。
これで店に来るお客さんが減ったら、この商売は立ちいかなくなるでしょう。
「10年後になくなる仕事」というのが少し前から話題になっています。
その中には「スーパー・コンビニ店員」も(上位で)入っています。
ホームセンター店員も、これに近い存在です。
でも私は「ホームセンターという業態は、あと何年続けられるのだろうか」
なんてことまで考えてしまうのです。
私、ホームセンターが好きなので、この仕事をしています。
ホームセンターは、やがて百貨店や本屋のようにどんどん減ってしまうのでしょうか。
そうならないことを祈るばかりです。
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