多様性が滅亡を防ぐのだなあ(2)~熱帯魚と月移住~
小学校に水槽を置いていた頃の話です。
「ほら、水槽の上の蛍光灯を外すだけで魚たちが寄ってくるだろ」
「エサがもらえるって、わかるんだ!」
「ちゃんと学習するんだよ。頭いいねえ」
「食べてる食べてる。かわいい!」
「さて、これくらいにするかな」
「…ねえ先生、ここに1匹だけ食べに来ない子がいるよ」
「いるんだ、そういう子が」
「かわいそう」
「でも、やせてないだろう?
不思議と死なないんだよ」
「この魚はカージナルテトラといって、アマゾン川で捕まえられて、
地球を半周してここまで連れてこられたんだ」
「えっ、そうなの」
「みんなと一緒にわーい、って言ってたら、人間につかまったんだな」
「かわいそう」
「でもさ、みんなと違う場所で違うことをしていた子は、つかまらない。
今ごろ元気にアマゾン川を泳いでる」
「なるほど」
「みんなと違うことをしてると、たぶん100回中99回くらい損をする。
でも、全滅するかどうかという時には、
そういう子が生き残るかもしれない」
「うーん」
「だからさ、みんなと同じことをしないヘンな子って、大事なんだよ。
人間の中にも、いるじゃない、そういう子」
「いるいる」
「その子たちのおかげで人間が全滅しなかった、
ということが起きるかもしれない。
だから、ヘンな子たちをバカにしちゃいけないんだ」
毎年のように、こういう話をしてきました。
最近「月に行く」が話題になります。
おおっぴらにされませんが、月移住の目的の一つは、これでしょう。
「地球の人類が全滅しても、違う場所にいる人類が生き残る」
そのために、水やら野菜やらを月で自給できるようにするわけです。
やがて「月に移住できる者は、生殖能力のある男女」
という条件が付けられるのかも(^^;)。
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コメント
多様性とアリの駆除の話を読んで思ったことです。
ちょっと意味合いが違いますが、我が家では家の中にクモを飼っています。勿論人為的に飼っているのではなく、入り込んできたハエトリグモを一切駆除や屋外排出せず、好き勝手に這わせています。時々孵化したての小さな様態も見かけるのですが、爆発的に増えるわけでもなく、時々天井やガラス窓をはい回っています。
私の意志で家族に納得させているのですが、そのせいかどうか我が家では蚊やハエを見ることは年に1~2回と言えるほど少なく、蚊に食われたことも全く無いです。
同じようにたまに見かけるヤモリもほぼ放置しています。
この程度で多様性でバランス取っているとは言えませんが、ちょっと垣間見た感じです。
もっともゴキブリだけは年に数回は叩き潰す羽目になってます。
投稿: 田中英志 | 2023年5月21日 (日) 10:17
なるほど!
ウチの店ではハエ取りリボンを売っています。
でも、クモの巣の方が賢い選択かもしれませんね。
近年「雑草は抜かない」「土の中の細菌を活用する」等の流儀が広まりつつあって、喜ばしい限りです。
「有害だと思われるものを排除する」ならば、1番に排除すべきは人間だったりして(^^;)。
投稿: 縄文人 | 2023年5月21日 (日) 18:18