あと1点か2点、足りないんだよ ~高所作業の話~
私、ちょくちょく、職場で脚立に乗ります。
その際、しばしば、両手で荷物を持っています。
大きいモノや長いモノは、そうせざるを得ません。
この状態で、脚立を上り下りするんです。
どちらかの足を脚立から離さないと、動けません。
手はふさがっているので、使えません。
足を動かしている間、体を支えているのは片足1本になります。
荷物が小さいと、片手で持てます。
この場合、もう片方の手は脚立や棚をつかむことができます。
この状態でどちらかの足を脚立から離すと、体を支えるのは片手片足の2本になります。
登山をする者は「三点確保」という言葉を学びます。
急な岩場を上り下りする際の原則です。
両手両足で岩をホールドしたら、これが「四点確保」の状態です。
そして、手か足のどれか1つだけを岩から離して動かします。
他の手足(合計3つ)は、岩をホールドしたままです。
これが「三点確保」です。
ああ、なんということでしょう。
登山歴40年の私が、職場ではちょくちょく「一点確保」「二点確保」をしているのです。
不安定です。
よろけたり、地震が来たりしたら、落ちるでしょう。
両手がふさがった状態で落ちたら、命も落とすかもしれません。
去年「屋根工事なんて怖くない‥わけがない」という一文を書きました。
2m以上の高さでは、命綱、安全帯、作業床(足場)等を使うべきなのです。
(両足と命綱で3点が確保されます)
法律で決まっているのです。
それなのに、ウチの店では全く守られていません。
でも、こういう職場は珍しくないはずです。
労働安全衛生法には、罰則があります。
労働災害防止措置違反の罰則は、「50万円以下の罰金」(!)だそうです。
なるほど、だからあちこちで危険な作業環境が放置されているのですね。
罰金の方が安くてすむではありませんか。
今回、高所の建築現場で事故があって大きなニュースになっています。
でも、実は毎年もっと多くの方が高所作業で亡くなっているのです。
報じられないだけなのです。
この機会に、全国の高所作業環境を改善して欲しいのですが、そういう論調ではないのが残念です。
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