虎は死んで棒を残す? ~天窓開閉棒~
学校の天窓を開閉する棒です。
今の季節、教室の換気が大切です。
四隅の天窓を少し開けるのが良いとされています。
手の届かない高さにある窓のサッシ錠と窓を開け閉めするのは、ちょっと厄介です。
この棒を使えば、1分で終わります。
最後の勤務校でも、その前の勤務校でも量産して、全教室に配りました。
でも、この棒を使う担任ばかりではありません。
そうなると、使われない棒はどこかに消えてしまうことがあるのです。
「足りないので作ってください」というのは、そういう事情なのです。
教員時代の私は、朝7時半くらいに教室に入っていました。
まずこの棒で天窓を開けます。
季節によっては、全ての天窓を全開にします。
その後、廊下と教室に掃除機をかけたり、ノート類を見たりするのです。
「帰りの会」が終わると、天窓を閉めます。
低い窓は係の子が閉めてくれますが、天窓はそうもいきません。
背の高い子は「やらせて!」と言いますが、これを振り回されると危険なのでやらせません。
教室の戸締りが終わると、外に出ます。
(愛知県は集団登下校なので、外で集合してから下校になるのです)
その際に階段の天窓を閉めます。
(これも私が朝開けています)
階段天窓の下には、この場所用の窓開け棒が備え付けてあるので、それを使います。
日によっては「先生、階段の窓、閉めておいたよ!」なんて子もいます。
それには「ダメ」と言わず「ありがとう!」と答えます。
何しろ日頃から「勝手に良いことをしよう」と教えていますからね。
さて、棒作りです。
工程は単純です。
角材を90cmに切って
片方に穴を開けて
L字型フックをネジ込む
これだけです。
10年前と違うのは、ビニルコーティングされたフックを使ったことくらいです。
もしかすると、1本くらいは私が死んだ後になっても使ってもらえるかもしれませんね。
(蛇足)
「虎は死んで皮を残す」という一節ばかりがよく使われていますよね。
このことわざの本来の意味を取り違えていることが多いようです。
本来は「虎は死して皮を留め 人は死して名を残す」です。
人は皮を残すのではなく、名が残るように生きるべきなのです。
(…と言った中国の武将の言葉です)
近年、晩節を汚す老人の報道が続いています。
「自分も汚名だけが残るような生き方をしていないか」
と自戒する今日この頃です。
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