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2024年5月 4日 (土)

古瀬戸にしびれる ~穴山窯跡出土品展~

「赤津に遺された古瀬戸最盛期の窯」
というのが、サブタイトルになっています。
14世紀の窯だそうです。

Anayama01

先日見た春岱と違って、色や模様は地味です。
しかし、形は実に見事です。
完璧だと思います。
これ以上進化できないのでは、と思います。
その上、驚きの薄さ(陶器なのに!)です。

Anayama02

小さな器も多数ありました。
こんなに小さいものを、こんなに精巧に!
と驚かされます。

Anayama03

仕上げは、シンプルです。
素焼き(いわゆる「山茶碗」)
灰釉
鉄釉
これが、イイんです。
私、無地とかシンプルな文様が好きなんです。

この展示で古瀬戸について興味が深まったら、常設展示へ行きましょう。
瀬戸蔵ミュージアムの常設展示は、素晴らしいのです。
猿投窯、古瀬戸から現代瀬戸焼に至るまでの変遷を、豊富な実例とともに解説してくれています。
これについては、いつか稿を改めて紹介したいと思っています。

(蛇足)
陶器の形状としては、猿投窯(須恵器)、古瀬戸の時代にすでに完成していたと思います。
今生活する上で、それ以外の形の陶器がなくても困らないと思います。
自動車やバイクも同じだと思うのです。
ガソリンエンジンを使う限り、その形はもう何十年も前に完成していたと言って良いでしょう。
むりやり新しい形のものを作ろうとするから、奇怪で醜い製品になっていると思うのです。

瀬戸市の「本業窯」のように「伝統的な形とデザインの製品だけを作る」という会社が欲しい、と思います。
バイクの世界には「ネオクラシック」という分野が確立されつつあります。
(私としてはもっと「クラシック」の方へ振ってほしいのですが)
自動車にも「ネオクラシック」があって良いのではありませんか。
マツダのコンセプトカー「アイコニック」は、正にこの路線だと思います。

もう「変わらない」ことを恥じる時代ではありません。
ホンダのN-ONEやダイハツのキャンバスは、二代目になってもほとんど形が変わりませんでした。
バイオリンや鉛筆に至っては、完成したデザインのものがずっと作り続けられています。
そういう例は世に数多くあります。
「使いやすくて美しい形はそのままにしておいて欲しい」
「無理におかしな形にしないで欲しい」
そう思うのは、私だけなのでしょうか。

(補足)
「瀬戸蔵」の駐車場は、クルマが偏重されています。
バイクと自転車は、東側の小さな駐車場に入れなくてはなりません。
ご注意ください。

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