本当の友人でありたい ~オリンピックの度に思い出す話~
昔、私が回覧板を渡していた彼は、オリンピックチームの監督になりました。
初戦は、圧勝でした。
まずは、めでたい(^^♪。
今ごろ、マスコミがチームや監督をチヤホヤしているのではないでしょうか。
●問題は、負けた後です
日本のマスコミって、期待していた選手またはチームが負けると、手のひら返ししますよね。
私の印象に残っているのは、トリノオリンピックの時の安藤美姫さんです。
事前の取材は、彼女に集中しました。
「4回転ジャンプを跳ぶのか」
そればかりでした。
競技前に、すでにマスコミにつぶされていたと思います。
オリンピックで15位に終わった後は、更にひどい扱いを受けました。
まだ未成年だった彼女にとって、これは一生忘れられない経験だったことでしょう(注)。
マスコミは今年も相変わらず「金メダル候補」をチヤホヤしています。
期待外れの結果で帰ってきたら、どういう扱いをするのでしょうか。
私は、今からそれを心配しています。
●負けた後に来る友人
サッカーの世界では、こんな話があります。
1964年東京オリンピックでのクラマーコーチの言葉です。
(アルゼンチンに勝った後)
「今日は新しい友達も含め、多くの人々が祝福に来るだろう」
「今、慰めと励ましが必要なのはアルゼンチンの選手たちだ」
彼はそう言って、アルゼンチンのロッカールームに行ってしまいます。
(ベスト16で敗れた後)
「君たちはよくやった。それは僕が一番よく知っている」
「今日、訪ねてくる友達は少ないかもしれないが、今日の友達こそが本当の友達だ」
マスコミのオリンピック選手たちへの態度も「本当の友達」であって欲しいものです。
私自身も、他人に対してこうありたいものだと思います。
(注)
安藤美姫さんはそこから立ち直り、翌年の「スケートアメリカ」で優勝しました。
私は、TVで見ていました。
前年のことがあったので、よくぞここまで、と感動しました。
「鬼気迫る演技」とはこれだな、と思いました。
(冒頭の3ー3回転ジャンプを成功させた後、ガッツポーズをしたように見えたのは私だけだったでしょうか)
今年のオリンピックで期待通りの結果を出せなかった選手たちも、まだ人生終わりではありません。
ぜひ立ち直って欲しいものです。
(さらに余計な話)
私は、安藤美姫さんは荒川静香さんの金メダル獲得の影の功労者だと勝手に思っています。
荒川さんは世界王者になった経験があったので、当然メダルの可能性がありました。
しかし、バカなマスコミは安藤さんばかりを取材したのです。
そのおかげで(安藤さんと違って)荒川さんは取材に悩まされず、競技に集中できたと思うのです。
オリンピックの際には「選手をマスコミから守る」という役割の人が必要じゃないでしょうか。
もちろん、選手にそれをやらせては、いけません。
選手団の中に、あらかじめそういう役の人を置くべきだと思いますが、いかがでしょう。
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