アール・ヌーヴォーを見た後はこれだ ~三岐鉄道「めがね橋」「ねじり橋」~
これらの橋は、三点の見どころがあります。
●レトロな橋!
「めがね橋」はアーチ型の橋です。
コンクリートブロックで組まれています。
(この鉄道の沿線には石灰岩鉱山やセメント工場があります)
なんと、鉄筋は入っていないそうです。
なんでも当時鉄が高価だったからなのだそうです。
しかし今となっては、鉄筋がないからこそ腐植の心配がないというメリットになっています。
鉄骨のアーチ型の橋は珍しくありませんが、ブロック積みとなると珍しいです。
1916年竣工といいますから、まだアール・ヌーヴォーが続いていた時期です。
「ミュシャ展」の後に行く場所として、最高の場所だと感じました。
●レトロな電車!
橋もレトロですが、電車もレトロです。
今走っている電車は、ものによっては60年以上前のものだそうです。
ところが三岐鉄道北勢線は、全国で3つだけという「ナローゲージ」の鉄道です。
ここを走る電車は、他の鉄道と互換性がありません。
他所の中古車両を持ってくることができません。
新調するとなると、もっと大変です。
それだけに、今走っている古い電車は貴重です。
この日は暑かったのですが、2人の鉄道マニアに出会いました。
一人は神奈川から、もう一人は東京から来たということでした。
お二人とも愛知に泊りがけで写真を撮りに来ていました。
この橋とこの電車の組み合わせは、それだけの魅力があるのです。
●用水路も素晴らしい!
「ねじり橋」はブロックの組み方に特徴があります。
「ねじりまんぼ」と言われる組み方です。
鉄道と用水路が直行してないので、こういう組み方になるのだそうです。
「めがね橋」ともども珍しい橋なので「日本の近代土木遺産」に選定されています。
ここで私が目を奪われたのは、橋よりも、その下でした。
用水路が素晴らしいのです。
水量が豊かで、流速が早いです。
見るからに、古い用水路です。
そもそも用水路の方が先にあったからこそ「ねじり」になったわけです。
調べてみると「六把野井水」という用水で、江戸時代に作られたそうです。
枝下用水で用水路に目覚めてしまった私にとって、この用水路はとても魅力的でした。
四日市やいなべには、魅力のある用水路やため池が数多くあるようです。
「後日、出直そう」と心に決めて帰路につきました。
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