クルマもアール・ヌーヴォー、いかが? ~ミュシャ展を見に行く(2)~
ミュシャ展に酔いしれて、外へ出ると。
「うわっ」と声が出てしまいました。
出入口の近くに、下品で醜いミニバンが3台停まっていたのです。
揃いも揃って、フロントグリルを前に向けて。
「酔いが醒める」という思いでした。
「こんな車に乗る人がアール・ヌーヴォーを見に来るって、どういうこと?」
と思いました。
しかし、その後こんなことを考えました。
●トヨタさん、アール・ヌーヴォー、いかがですか
トヨタは、言われるまでもないと思うのです。
先代のシエンタ(前期型)を見て「フラムボワイヤンだ!」と思ったのは私だけでないでしょう。
(「フラムボワイヤン」は「火炎様式」と訳されます)
トヨタ博物館には「フラムボワイヤン」のドラージュがあります。
(これはトヨタ博物館にある個体ではありません)
私の趣味ではありませんが、これは「アリ」だと思います。
「フラムボワイヤン」は1930年代の流行ですが、アール・ヌーヴォーの流れと言って良いと思います。
もうひとつ。
エスティマです。
あの「天才タマゴ」のデザインは明らかに「流線形デザイン」です。
こちらも1930年代の流行です。
普通は「アール・デコ」の流れと説明されます。
しかし流線形デザインは「機能優先」と「なんちゃって流線形」に大別されます。
後者は、どちらかと言うとアール・ヌーヴォーの流れだと思うのです。
(スタウトです)
他社のパクリや醜悪なデザインをやめて、フラムボワイヤン、流線形、アール・ヌーヴォーに行きませんか。
先代のシエンタもエスティマもあれだけ売れたのですから、イケると思うのです。
●ホンダさん、アール・ヌーヴォー、いかがですか
かつてのホンダデザインの特徴は「機能美」だったと思うのです。
今は、それに回帰しつつも売り上げはもう一つ、というところでしょう。
「売り上げを確保する必要がある」
「しかし醜いクルマは作りたくない」
現在のホンダの「カスタム」にはそんな苦悩が現れているように感じます。
ここで思い切って「カスタム」を装飾美に振ってみてはどうでしょうか。
フラムボワイヤンとか、唐草模様とか。
「コテコテに装飾するけど、某車のように醜くない」
そういうカスタムって、結構売れると思うんです。
ホンダデザインの本流を守るための方便としては、悪くないと思うのです。
数年後には、この両社がアール・ヌーヴォーで競い合うことになったりして(^^;)。
(蛇足)
パラミタ・ミュージアムは、外も中も上品です。
余白がふんだんにとられています。
それに引きかえ、駐車場に停まっていたミニバンは、フロントグリルにほとんど余白がありません。
それが「下品」と感じさせる理由の一つだと思います。
でも、アール・ヌーヴォー様式でいけば、余白がなくても下品にならないのではないでしょうか。
余白を作ることが不安な経営者さん。
アール・ヌーヴォー、一度試してみませんか。
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