日本は利用されてるのか、利用してるのか ~『植物たちの不埒なたくらみ』(稲垣栄洋)~
「果たして、人間がレタスを利用しているのだろうか。
それとも、レタスが人間を利用しているのだろうか」
稲垣氏は、そう書くのです。
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人間は、レタスを品種改良してきた。
しかし、レタスの立場から見ると、どうか。
本来は、地中海周辺で冬に成長する植物であった。
それが今や、世界中で一年中栽培されている。
植物が光合成をして種子を残すのは、子孫を残し、分布を広げるためである。
レタスは人間に食べられて利用されているように見えても、分布を広げている。
植物にとっては大成功なのである。
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稲垣氏は、そう言うのです。
私はそれを8月15日の直後に読みました。
そのせいか、私にはそれが違った意味に読めてしまうのです。
「アメリカが日本を利用しているのだろうか。
それとも、日本がアメリカを利用しているのだろうか」
敗戦後約80年経つというのに、日本はいまだにアメリカに対して従属的な立場です。
近年になっても、こんな本が出ています。
『永続敗戦論』(2013年)
『日本はなぜ、基地と原発を止められないのか 』(2014年)
『属国民主主義論』(2016年)
しかし、稲垣氏の文章を読んで、はっとしたのです。
日本はレタスなのかもしれない、と。
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「レタスにとっては、少しくらい食べられることは何でもない。
とにかく人間に気に入られさえすれば、成功を収めることができるのだ」
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もちろん「日本≒レタス」という解釈には、いろんな反論があるでしょう。
私だって「日本はアメリカを利用しているから良いのだ」と言うつもりはありません。
ただ、こう思っている人は、いるだろうと思うのです。
「日本にとっては、少しくらい従属的になることは何でもない。
とにかくアメリカに気に入られさえすれば、(自分は)成功を収めることができるのだ」
自民党と立憲民主党の両ウイングの議員さんの本音を聞いてみたい、と思います。
そして、上記のように考えているのなら、「アメリカ」を「中国」に変えることについては、どう考えるのでしょうか。
でも、党首選挙ではこういう事は語られず、枝葉末節の話だけになるのでしょうね。
あーあ。
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