常滑焼の歴史を堪能しました ~常滑を楽しむ(1)~
常滑の「とこなめ陶の森 資料館」に行ってきました。
素晴らしい施設でした。
すごいすごい!
大きな甕(かめ)がぞろぞろ並んでいます。
古い常滑焼は、信楽同様、釉薬で飾らない焼き肌が魅力的です。
器のプロポーションにもしびれます。
甕は、このように埋めて使われます。
これなら表面を美しく装飾する必要はありませんね。
特別展「常滑焼と越前焼」も見ることができました。
常滑焼は、猿投古窯の技術を受け継いでいます。
越前焼は、その常滑焼の技術を導入して作られたそうです。
今回の展示では「こんなに似ている」というものが並んでいます。
どちらも鉄分の多い土だったので、技術がマッチしたのでしょうね。
越前のすり鉢を見ることができました。
これは室町時代のものだそうです。
この時代、すり鉢は越前焼の主要製品の一つでした。
常滑焼は大型の製品が多いのですが、その理由は海運です。
海が近いので、古くから大型の製品が遠くまで運ばれています。
これが、六古窯の中でも独特の道を歩んできた要因になっています。
この資料館は、令和3年にリニューアルされたそうです。
行ってみて、驚きました。
大人にも子どもにもよく分かり、楽しめる展示になっています。
展示物も充実しています。
上の写真は、六古窯の土の色の違いの展示です。
瀬戸や信楽には、こういう展示は無かったと思います。
しかしこうして見ると、瀬戸の土の白さが際立ちますね。
瀬戸も常滑も同じ東海湖の粘土だったのに。
常滑は、明治期から土管、タイル、植木鉢、火鉢等の産地になっていきます。
(焼酎の容器です)
今や一般人にとって「常滑焼」とは「急須」のことではないでしょうか。
中国製に押されて苦戦しているそうですが。
それでも、常滑は今も陶磁器産業で栄えています。
「INAX」は常滑の会社です。
立派な資料館を新しく作ることができたのも、そのおかげでしょう。
「六古窯」と言えども、常滑焼は信楽焼とは全く違う道を歩んでいるのでした。
そうは言っても「やきものの街」としての観光整備も進んでいます。
私は「やきものの散歩道A」は歩いたことがあります。
「散歩道B」も訪れたいと思っています。
(余談)
自転車で行ったのですが、資料館の近くで「キング砥石」の工場に出くわしました。
調べてみると、本社も常滑なんですね。
いやあ、知りませんでした。
ウチにも御社の砥石がありますよ。
陶磁器産業と何か関係あるんでしょうかね。
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