« 「蹲」とタヌキと ~信楽を楽しむ(2)~ | トップページ | めり込まない?ビス ~新たな職場での誘惑(3)~ »

2024年11月 6日 (水)

常滑焼の歴史を堪能しました ~常滑を楽しむ(1)~

常滑の「とこなめ陶の森 資料館」に行ってきました。
素晴らしい施設でした。

Img_7307_edited

すごいすごい!
大きな甕(かめ)がぞろぞろ並んでいます。

Img_7322_edited

古い常滑焼は、信楽同様、釉薬で飾らない焼き肌が魅力的です。
器のプロポーションにもしびれます。

Img_7319_edited

甕は、このように埋めて使われます。
これなら表面を美しく装飾する必要はありませんね。

Img_7329_edited

特別展「常滑焼と越前焼」も見ることができました。
常滑焼は、猿投古窯の技術を受け継いでいます。
越前焼は、その常滑焼の技術を導入して作られたそうです。
今回の展示では「こんなに似ている」というものが並んでいます。
どちらも鉄分の多い土だったので、技術がマッチしたのでしょうね。

Img_7332_edited

越前のすり鉢を見ることができました。
これは室町時代のものだそうです。
この時代、すり鉢は越前焼の主要製品の一つでした。

Img_7314_edited

常滑焼は大型の製品が多いのですが、その理由は海運です。
海が近いので、古くから大型の製品が遠くまで運ばれています。
これが、六古窯の中でも独特の道を歩んできた要因になっています。

Img_7352_edited

この資料館は、令和3年にリニューアルされたそうです。
行ってみて、驚きました。
大人にも子どもにもよく分かり、楽しめる展示になっています。
展示物も充実しています。
上の写真は、六古窯の土の色の違いの展示です。
瀬戸や信楽には、こういう展示は無かったと思います。
しかしこうして見ると、瀬戸の土の白さが際立ちますね。
瀬戸も常滑も同じ東海湖の粘土だったのに。

Img_7339_edited

常滑は、明治期から土管、タイル、植木鉢、火鉢等の産地になっていきます。

Img_7347_edited

(焼酎の容器です)

今や一般人にとって「常滑焼」とは「急須」のことではないでしょうか。
中国製に押されて苦戦しているそうですが。
それでも、常滑は今も陶磁器産業で栄えています。
「INAX」は常滑の会社です。
立派な資料館を新しく作ることができたのも、そのおかげでしょう。
「六古窯」と言えども、常滑焼は信楽焼とは全く違う道を歩んでいるのでした。

そうは言っても「やきものの街」としての観光整備も進んでいます。
私は「やきものの散歩道A」は歩いたことがあります。
「散歩道B」も訪れたいと思っています。

(余談)
自転車で行ったのですが、資料館の近くで「キング砥石」の工場に出くわしました。
調べてみると、本社も常滑なんですね。
いやあ、知りませんでした。
ウチにも御社の砥石がありますよ。
陶磁器産業と何か関係あるんでしょうかね。

|

« 「蹲」とタヌキと ~信楽を楽しむ(2)~ | トップページ | めり込まない?ビス ~新たな職場での誘惑(3)~ »

その他」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「蹲」とタヌキと ~信楽を楽しむ(2)~ | トップページ | めり込まない?ビス ~新たな職場での誘惑(3)~ »