日産のGTRが生産を終了したそうです。
NHKでは妙に大きく報道していました。
その報道のしかたが興味深いものでした。
「ランエボも、NSXも、WRXSTIも生産中止」
つまり「スポーツカー受難の時代」というスタンスでの報道です。
本当にそうなのでしょうか?
GRヤリスとGRカローラは、順調に売れています。
スバルのWRXも、アメリカでよく売れています。
(もうじきSTIが本格復活するとかしないとか)
ホンダは、プレリュードを復活させるそうです。
スポーツ車全部が売れないわけでは、ないのです。
●マツダ・ロードスター
「最も売れた2シーターのスポーツカー」のギネス記録を持っています。
登場以来、もう36年間作り続けられています。
現行モデルは、4代目です。
実はGTRだって、R32が出たのは初代ロードスターと同じ1989年です。
ロードスターが4代目と言うなら、GTRは初代から数えて6代目です。
ただ、ロードスターとGTRでは、この間の歩みが全く違うのです。
GTRは、6代目から「スカイライン」ではなくなりました。
スーパーカーの領域に入ったと言って良いでしょう。
その分、性能もどんどん上がっていきました。
もちろん、価格も。
ロードスターは、違います。
初心を忘れません。
やみくもに高性能化しません。
ですから、それなりの価格にとどまっています。
生産中止どころか、5代目が出るのは確実視されています。
今までに、いろんなスポーツ車が出ました。
素晴らしい車だった、と語り継がれています。
でも、そのほとんどは後が続いていません。
世界的に、それが普通なのです。
GTRだって、3代目の後、長い間中断していました。
私が思うに、ロードスターの偉大さは、ここにあります。
「先鋭化しすぎない」
「高性能よりも楽しさ」
これができるメーカーって、ほとんどないのです。
商売上手なトヨタでさえ「ハチロク」(ZN6)を高性能化しました。
そして、売れなくなりました。
私の目には、かつてのMR2と同じ道をたどっているように見えます。
これが、スポーツ車の普通のパターンなのです。
私は、リターンライダーになるにあたって、GB350Sを選びました。
そして、一番欲しい車は、スーパーセブンです。
一番遅い「170」や「600」が欲しいです。
なんなら中古のバーキンでも良い、と思います。
つまり私は「常用域で楽しい」「使い切れる楽しさ」が欲しいのです。
それも、できるだけ安い価格で。
そういう客って、少なくないと思うのです。
ロードスターが売れ続けているのは、その証拠だと思うのです。
SR400やセローが長寿製品になったのも、同じ理由だと思うのです。
現行のロードスターは、概ね300万円台です。
GRヤリスは、概ね500万円前後です。
スバルのWRXも、概ね500万円前後です。
(現行WRXではマニアには物足りないのでしょうが)
GTR最終モデルは、1400万~3000万円でした。
GTR、そりゃあ、売れませんよね。
作るのも、大変ですよね。

いつの日か、GTRが復活する日が来るかもしれません。
その節には、初代GTR程度まで戻る勇気を持って欲しいと勝手に思っています。
スーパーカーではなく「スカイラインの上級モデル」であって欲しいのです。
「物足りない」「もっと速く」という客は、改造すれば良いのです。
そういう客の言うことを聞いていたら、結局生産中止になるのです。
日産社内には、GTRを復活させたいと願う若い人がいることでしょう。
GTRの生産を終えた今こそ、マツダさんに話を聞きに行くべきではないでしょうか。
(そういや初代GTRの連勝を阻んだのはマツダでしたね)
●スズキ・スイフトスポーツ
こういう話、スズキさんは先刻ご承知だと思います。
スイフトスポーツは現在4代目で、登場以来22年になります。
カルタススポーツから数えると、ロードスターよりも長い歴史を持ちます。
一貫して「軽い」「速い」「安い」という路線を堅持しています。
ロードスターよりも実用性が高くて安いのです。
SUV全盛の今は売れていませんが、名車だと言って良いと思います。
ジャンルは違いますが「さすが、ジムニーを作り続けている会社だな」と思います。
ロードスター同様、先鋭化させすぎないのが長続きの秘訣なのだろうと思います。
そこで踏みとどまる判断にこそ、私は拍手を送りたいのです。
(蛇足)
私は「先鋭化させるな」と言いたいのではありません。
ランチア・ストラトスとかフェラーリGTO(初代)は大好きです。
(どちらも競技に出るために専用設計された車です)
ただ、そういう車は後が続かない、と言っているのです。
だから、先鋭化したGTRが生産中止になるのは、仕方ないことなのです。
ストラトスもGTOも、何十年も経って二代目が出ました。
GTRだって、そうなってもおかしくありません。
「二回目の中断」と思うことにしましょうよ。
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