あの人たちの感想が聞きたい ~『天上の虹』(里中満智子)を読む~
今読むと、受け止め方がちょっと違ってきます。
主人公は、持統天皇です。
この時代の皇族は、関係が複雑です。
これらの登場人物が、政略結婚やら複数の妻やら粛清やらで、人生が変わっていきます。
特に、皇族の女性の悲しみがこの物語の重要な要素になっています。
もう、おわかりですよね。
今のタイミングでこの物語を読むと、あの人やあの人やあの人のことを思い浮かべてしまいます。
(私は例の不敬な政治家とは違うので名前は出しませんよ)
あの人たちは、この物語を読んで、どんな感想を持つのでしょうか。
でも、あの人たちはマンガの感想でさえうっかり口にできないのですよね。
(もしかしてこのマンガは読むのを禁じられたりして)
一般国民には、そういう縛りがありません。
昔読んだ人も、まだ読んでない人も、今こそ読んで欲しいなと強く思います。
もしかすると、今後の皇族数確保についての意見が変わるかもしれません。
【もう一つの今日的意義】
先日「飛鳥・藤原の旧都」が世界遺産になりました。
藤原京造営は、持統天皇の時代のことです。
また、世界遺産の中には「天武・持統天皇合葬陵」等の持統天皇ゆかりの文化財もあります。
『天上の虹』を読んでから飛鳥観光に行くと、きっと感慨が違ってくることでしょう。
【学習マンガとしての意義】
乙巳の変(もしくは大化の改新)及び壬申の乱、その後の様々な改革は、教科書的に重要です。
「ここ、試験に出るぞ」がいっぱいです。
人物の名前を覚えるだけでも大変です。
(前掲の系図をご覧ください)
高校生の中には、頭を痛めている人もいるでしょう。
このマンガが、助けになるかもしれません。
里中氏は、史実をかなり忠実になぞっています。
その上に、フィクション性を載せて面白く読めるようにしています。
多くの高校生が、史実に理解が深まることでしょう。
難点は、とても長いことです。
全部読むのに結構な時間を要します。
受験を控えた高校3年生には、恐ろしくておススメできません。
高校1・2年生の夏休み読書としておススメします。
もう一つの難点は、価格です。
講談社漫画文庫版で全11巻、約1万5000円です。
高校の図書室に置いてくださいと言いたいところですが、時々ベッドシーンが出てくるのが、どうなんでしょう。
(最近の少年少女マンガに比べればかわいいものなんですが)
市町村の図書館に置くと、まず大人が借りちゃうでしょうし。
お父さん、お母さん、もしくはおじいさん、おばあさん!
更には、おじさん、おばさん!
もしかして、本棚に『天上の虹』が眠っていませんか。
(連載開始は1983年だそうです)
高校生のあの子に、読んでもらいませんか。
【しつこく蛇足】
飛鳥・藤原京の時代は、女性天皇の時代でもありました。
4人の女性が5回即位しています。
4人とも「男系」(父が天皇)です。
だからどうだ、とは言いません。
ここから先は、いろんなご意見があるでしょう。
(国会は国民の意見なんて無視してますが)


































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