バスケットボール

2023年10月 4日 (水)

指示しない監督の思い出 ~『プロフェッショナル 少年野球監督 辻正人』を見て~ 

「ガチガチの管理野球をして勝てなかったのが、ノーサインにしたら勝てるようになった」
それがこの番組のキモの一つでしょう。
これを見ていて、私は昔見たある試合を思い出していました。

小学生のバスケットボールの、地区決勝戦でした。
一方のチームの監督は私が「神様」と思っている人です。
当時「魔術師」と「神様」は別格の監督でした。
転勤先の学校をことごとく強豪校にしてしまうのです。
(残念ながら私はその域に達することができませんでした)

「神様」は、後にミニバスの監督になります。
全国大会優勝が当たり前、というチームを破って、愛知県大会で1番になりました。
そういうレベルの監督です。

当時の「神様」は、型にハメる指導をしていたと思います。
シュートを打っても良い子は、決まっていました。
お前は、リバウンドを取るだけ。
お前は、ディフェンスをがんばるだけ。
そう決まっていました。
その子の優れたところだけを発揮させる指導、ということでしょうか。

さて、その決勝戦です。
後半(まだ4クオーター制になる前でした)も残りあと少しです。
「神様」のチームは小差でリードされていました。
今の流れでは、逆転できそうにありません。
「神様」は立ち上がって、こう叫びました。

「フリーオフェンス!自由にやっていい!」

今までの決まりごとを捨てて、自由に攻めていい、と言うのです。
今回の放送でも、辻監督が試合中に「自由」と叫ぶ場面がありましたね。
驚いたことに、「神様」のチームは、そこから逆転したのです。

用意周到な「神様」のことですから、フリーオフェンスに切り替えることは練習済みだったのかもしれません。
まあ、それにしても。
子どもたちは「神様」のプランを超えた活躍をしたのです。

従業員を駒としか考えていないブラック企業の経営者に見せたい番組でした。
子どもでさえ、自発性の力はスゴいのです。
従業員の自発性を発揮させれば、みんなもっとできるはずなのですよ、社長。

【蛇足】
今ごろ、この番組にツッコミを書いている人もいるでしょうね。
「なんで小学生の全国大会や世界大会があるんだ!」
「結局それに勝つための方法としてノーサインにしているだけだろ!」等々。
まあ、まあ(^^;)。

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2023年9月 8日 (金)

そこに、意味づけはあるんかい ~同じことをやってても大違い~

A社は、こうです。
「職場の掃除ができていないと降格。
 サボらないように社長が毎月チェックする」
こういう会社では、社員は何を考えて掃除をしているのでしょうか。
ビッグモーター社は、それを露わにしてくれました。

B社は、降格もチェックもないのに、社員がキレイに掃除しています。
こういう社員は、何を考えて掃除をしているのでしょうか。
あなたの身近に、こういう会社はありますか。
先日読んだ雑誌に、こんな話が載っていました。

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家業のペンキを引き継いだが、社員のモチベーションが低くてどんどん辞めていく。
そこで社長が社員たちに熱を込めて繰り返し語ることにした。
「ペンキを塗ることで世の中に貢献している」
(稲森和夫氏の助言だそうです)
すると社員のやる気が高まり、業績も上がり、社会から高く評価されるようになった。
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これを読んで、私はW先生の言葉を思い出しました。
この先生は、地区の女子バスケットの大会で最も多く優勝した名監督です。
(当地区のOGは東京オリンピックに3人出場しています)
W先生は、ある時こんなことを言っていました。
「試合では、意味づけを大切にしている」
試合って、勝った負けたになりがちです。
意味づけがしっかりできていると、勝っても負けても得るものが違います。

B社は、掃除に対する意味づけができているのでしょう。
それはおそらく、仕事に対してもそうでしょう。
個人的努力によってではなく、会社の努力で全員同じ意味づけができているのです。

ビッグモーター(及び似たようなことをやっている他社)は、キレイに掃除をしていたのです。
それなのに、結果は大違いなのです。
「とにかく、やれ」
「行動さえすれば、それで良いんだ」
という指導法がありますが、それだけになってしまうと危ないのです。
ブラック校則も、これと同じですよね。

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2023年8月25日 (金)

応援席をどうする ~甲子園決勝で思い出すこと(2)~

今年の高校野球決勝の応援が話題になっています。
私の若い頃のバスケットの大会も、なかなかでした。

まず、審判へのヤジです。

「歩いとるがや!」(「トラベリング」だと言いたいのです)
「ファウルだがや!」
「ちゃんと見ろ!」

これ、監督が言うとファウル(反則)を取られます。
だから、監督はここまで言いません。
観客が言うんです。
観客が言うと、審判としてはファウルを取りづらいです。
私はファウルを取ったことありませんし、他の審判が取ったところも見たことがありません。

この時代、私の勤務地区では、学校の体育館で大会を行っていました。
すると、観客がコートに近いんです。
ヤジがよく聞こえてしまうんです。
幸い、その後こういう観客は減りました。
加えて、大会は大きな体育館で行われるようになって、観客席が遠くなりました。
あの時代に私が50歳代だったら、観客のファウルを取っていたかもしれません(^^;)。

次に、フラッシュ撮影です。
試合中に、カメラを光らせる観客がいるんです。
これについては、大会前に監督会議で各校に通達されます。
「試合中にフラッシュ撮影しないように保護者に伝えてください」
それでも、フラッシュ撮影が絶えません。
フリースローの時のフラッシュなんて、最悪です。

私、これは注意しました。
試合を止めて、光らせた観客席に向かって注意したことさえあります。
それでも、その直後にまた光ることがありました。
おそらく「自動発光」からの切り替え方をご存じないのでしょう。
今年の甲子園決勝でも、応援の仕方についてアナウンスで注意したそうですね。
(それでもダメだったわけですが)

私は審判長を務めた年に、マイクを使ってちょっと強く注意したことがあります。
翌年、審判長は他の先生になりました(^^;)。
「縄文人先生の注意は、やりすぎだ」と思われたのかもしれません。
真相は不明ですが。

ということで、応援のコントロールというのは、難しいものです。
これを機に、空調の効いた小さな球場で、一定数に限定された応援のもとで大会をしてはいかがでしょう。

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2023年8月24日 (木)

仙台育英・竹田元監督の教え ~甲子園決勝で思い出すこと(1)~

今年の高校野球決勝は、試合内容以外のことが話題になっています。
まず、破れた後の仙台育英ベンチの態度について書きます。

私がバスケ部監督をしていたころ、毎年指導していたことの一つが、竹田監督の教えでした。
竹田氏は、仙台育英を強豪校に育て上げた名監督です。
前任の東北高校時代と併せて、甲子園への出場回数は歴代4位になるそうです。
氏が仙台育英の監督時代に書いた本が、今でも心に残っています。

その本が手許にないので、うろ覚えです。
こんな逸話が紹介されていました。
「野球部は優勝したかもしれないけど、授業中は寝てるじゃないか」
こんな風に言われていると、優勝しても心から祝ってもらえない、というのです。
これでは、真に強くなることはできない、と。
では、逆だとどうでしょう。
「野球部は優勝できなかったけど、あの子たちは野球以外のこともよくやっている。
 勝てなかったけど、本当によくがんばったよ」
こうでなくては強くなれない、と言うのです。
まず、校内で評価されるような生徒でなくてはダメだと言うのです。

これは、全ての部活動に通じることでしょう。
バスケ部の子たちにも、毎年この話をしました。
「優勝しても、なんだあいつら、と言われるのと、
 優勝できなくても、よくがんばったね、と言われるのと、どっちがいい?」
もちろん、みんな答は同じです。

今回、破れた後の仙台育英の監督や選手たちの態度が称賛されています。
私はそれを読んで、思いました。
「ああ、竹田元監督の教えが、引き継がれているな」
仙台に帰って「よくやった!」と言ってもらえたのではないでしょうか。

(暴走します)
野球部って、やたらに「礼儀」と言いませんか。
確かに、一見礼儀正しいように見えます。
でも、私は違和感を感じるのです。
「礼儀正しいのは関係者にだけ」
「礼儀正しいのは試合や練習の時だけ」
そういう野球部って、見たことありませんか。
(私は何度もあります)
それってつまり、竹田氏が書いた
「勝っても祝福されない野球部」ではありませんか。
今でも、竹田氏の教えは大切だと思うのです。

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2020年11月 8日 (日)

試合用の笛

長年、バスケットボールの審判をしています。
ちょっといい笛が必要です。

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「FOX40」と「ドルフィン」を愛用してきました。
一生ものだと思っていました。
ところが、コロナのせいで、そうもいかなくなりました。

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「飛沫が飛ぶ」ということで、電子ホイッスルを使うことになりました。
アマゾンで、大きい音が出るものを買ってみました。
まずまず良い感じですが、今までの笛と違って、手がふさがるのに戸惑います。
少々慣れが必要です。

当地では、コロナ以来、しばらく部活動がなくなりました。
部活動が再開しても、練習試合は禁止です。
秋の大会だけ、縮小した形で行うことになりました。

私は引退が近いので、もう「FOX40」や「ドルフィン」を試合で使うことはないかもしれません…。

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ボールの空気圧管理

バスケットボール部顧問として、毎年ボールの空気圧に気を配っています。
寒暖の変化で、ボールの弾み方が変わってしまうのです。
空気を入れたり抜いたりする必要があります。

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いろいろな空気入れを使ってきました。
現在はモルテンの「ペンタゴン」を愛用しています。
空気の入り具合、ハンドルの軽さ、全体の大きさ等が、私の使い方にちょうど良いのです。

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バスケットボールの空気圧は、ルールでこう定められています。
「1.8mの高さから落としたとき、はずんだボールの高さが床から1.20m以上1.40m以下」
しかし、数十個のボールをいちいち弾ませてチェックするのは大変です。
そこで、空気圧計を使うことにしています。

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まず、空気圧が下がっていると思われるボールにざっと空気を入れます。
そして、空気圧計を差します。
入りすぎていたら、ボタンを押して規定の圧力になるまで、空気を抜きます。

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この工程で、空気針を百回以上ボールに抜き差しすることになります。
時折、針の先に潤滑剤を着けると、抜き差しがスムーズです。

この3点で、2000円ちょいですが、重宝しています。(^^♪

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2019年10月26日 (土)

最後の監督?

6年生最後の大会がありました。

今年は私が監督をしています。

4月以来、練習試合ではいい内容が続いていました。

とは言え、ミニバスケットボールのクラブチームの子がいる学校には苦戦します。

今日は一勝一敗で、準決勝に進むことになりました。

勝っても負けても、明日で最後です。

私にとっても、おそらく教員生活最後の監督になるでしょう。

がんばります。

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2019年5月18日 (土)

最後の年?の練習試合(1)

4年ぶりに監督をしています。

若い指導者がいたので、一歩下がって部活動に関わっていたのですが、今年度は私がやらざるを得なかったのです。

今日は新年度初めての練習試合でした。

私がチームを引き継いでから指導してきたのは、以下の内容です。

 強く大きいドリブル

 リバウンドからの速攻

 パスカットを狙うディフェンス

 ミドルシュート

 必ずセーフティに入る

 

練習してきたことは、まずまず出せたと思います。

このチームが今までに取った最高得点の倍の点数を取って圧勝しました。

相手は主力が抜けていたので、勝って当然だったのですが、内容が良かったのです。

もっと地力の高い相手に今日のような試合ができれば、本物です。

 

同じ愛知県の小学校でも、大会が廃止されて、土曜日の部活動がなくなった地区があると聞いています。

当地区にも、そんな日が遠からず来るでしょう。

少なくとも私が6年チームの監督をするのは、今年が最後になることでしょう。

老体には6年チーム監督はキツいのですが、がんばります。

 

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2018年2月11日 (日)

新人戦 準優勝

監督は、若い先生がやっています。
なかなか熱心な先生です。
バスケット経験者ではありませんが、運動部の経験者です。
私がひとこと言うと、的確に意図を理解してくれます。

今回は「昨年の秋に6年生が敗れた相手に勝てるか」が問題でした。
直前に練習した二つの対策が当たり、快勝しました。
 エンドスローインからのフォーメーションプレーの守り方
 オフェンスで3対2になった時の攻め方

決勝戦では大敗しました。
相手は大規模校で、しかもミニバスをやっている子がゴロゴロいます。
勝てる相手ではありません。
ここへ来るまで、よくやったと言って良いと思います。

決勝の会場には、18年前の優勝チームのエースが来ていました。
このチームは、練習試合ですら一度も負けたことがありませんでした。
エースだった彼女は、教員ではありませんが、ミニバスのコーチをしています。
彼女から面白い話を聞きました。

「私はミニバスの監督にほとんど怒られたことがない。
 (彼女はミニバスでもエースでした)
 なのに、縄文人先生には怒られた」
「俺は何を怒ったんだ?」
「私がゾーンをパス&ランで攻めたら、それを怒られた」
「ほほう」

この仕事、ささいなことが子どもの心に残るのです。
今回準優勝したチームの子も、先々何を覚えていることやら。
怖い怖い(^^;)。

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2017年10月29日 (日)

教え子に負ける日

転勤してから最初の大会となりました。
児童数が少ない学校なのに、なかなか良いチームです。
私は監督ではありません。
主に練習試合の審判をしています。
そして、ちょくちょく監督に助言をします。

大会の相手の監督は、私が15年前に率いていたチームのキャプテンです。
完敗しました。
残念ではありますが、嬉しくもあるという妙な気分です。

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